個人的メモ

メモ・記録・日記

無責任なポジティブ

 

先日母親が皮膚科からぷりぷり怒りながら帰ってきた。「薬だけ下さい」と言って指示されたように順番を待っていたところ、後から来たオバさんが同じように「薬を下さい」と言ったにも関わらず待つことなく薬を貰って帰って行ったらしい。「私も薬だけなんですけど」「えっ?」みたいなやり取りがあったそうで、あと30分早く帰って来れたのに、とご立腹。

 

そんな母に「オバちゃんが居て良かったね、いなかったらもっと待たされていたかもね」なんて言ったんだけど、そんなことを言えるのは他人事だからだなあって思う。自分がその立場だったら、ツイてない、受付の人ちゃんとやってよ、ってイライラしちゃっている。

 

つまるところ無責任なポジティブシンキングなわけだけども、本当はこの無責任なポジティブを自分自身に持ちたかったりする。

根っこまでネガティブな人間だから不安になったりイライラするのはすごく簡単。将来を考えると不安になるし、お金のことを考えると怖くなるし、嫌なことがあったら引きずるし。

ネガティブは何かあった時の備えになるから良し、なんて言われることもあるけれど、そっちよりは『心配事の9割は起こらない』の方がこれまでの経験上当てはまるなあと思っていたりもして。なのに辞められないこの思考。

 

鬱々としやすいのは社会不安のせいだ、って記事にいくつも出会ったことがあるんだけど、同じ社会を生きているのにケセラセラな人もいるわけで。そういう人って総じて楽しそうだし。起こるか起こらないか分からない心配事でヘコんでしまうより、「その時はその時じゃー!」って今を楽しく過ごしたいじゃないですか?

でも、そんな気持ちを自分が急に持つのは難しいから、とりあえず他人にポジティブをまき散らしているという(笑)本当、無責任。他人の人生に対してはいくらでもポジティブな見方ができるのに、どうして自分事となるとこんなに難しいんだろうか。

 

他人事のように自分の人生を生きられたら、もっといい加減で、ポジティブで、勇気がある人生になる気がする。そんな人生って想像するだけで心が楽で楽しい。確かはるか昔に読んだ児童文学の『カラフル』がそんな物語だったはず。大人になってから子供の時に読んだ本の本質を思い出すなんてちょっとビックリしつつ、児童文学というのは子供に広い視野を持つヒントを与えるようになっているんだなあとしみじみ。

 

そもそも、人間だか日本人だか忘れたけど、現代人は不足ばかりを見てしまう脳になっているらしい。老体のヨボヨボのお爺さんが「10億円とあなたの体を交換してくれないか」と言ってきたって、それを承諾する人はいなくて。それって10億円よりも今の体と日常の方が価値があるってことなのに、私たちは「10億円がない。お金がない。」と“無い“方ばかりを見ちゃっているんだって。

 

つまりね、現状、必要以上にネガティブなわけだから、ちょっとくらい無責任なポジティブで生きていったって良いと思うんですよ。今年はもう終わってしまうから来年の目標にしようかな。無責任にポジティブに過ごすことを。

 

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