個人的メモ

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生誕100周年、水木しげる特集に触れる夏

 

水木しげる生誕100周年という節目の年だからか、水木しげるを特集した番組をよく目撃する。なかなか面白い。

 

知らない人は少ないと思うが、水木しげると言えば【ゲゲゲの鬼太郎】の作者である。私が観ていた【ゲゲゲの鬼太郎】のアニメが第何シリーズかは分からないのだけど、私はアニメのゲゲゲの鬼太郎を観て、水木しげるは絵があまり上手くない漫画家なのだとずっと思っていた。

 

だけど原画(?)を検索してみると、立体的でカラフルですごく可愛い。何より個性がある。これまでの認識が間違いだったと気が付いた。

 

YOASOBIのイラストレーターのトレパク疑惑が話題になった時に、話題になる前に「古塔つみって複数人でひとつの名前を使ってる?」なんて呟きを見かけたことを思い出したのだけど、私は絵心が無いから「フーン…?」って感じだった。だけど水木しげるの絵を見ていたら、なるほど個性があるってこういうことなのか、と思えてくる。

 

水木しげる 名言

番組の中では水木しげるの遺した名言や人生観にも触れられていた。

戦地で左手を失った療養中に、現地民のトライ族と親しくなった水木しげる先生。

「彼らの中に幸せという言葉はないけれど、ここには確かに幸せの雰囲気が漂っている。【幸せ】なんて言葉は無い方が良い。(誰かが作った)幸せの形を求めて、それを掲げることに注力してしまうから」という言葉はすごく印象的だった。

 

あと、これは番組内ではなく検索して出てきた言葉なのだけど、こちらもなかなか好き。

古今東西の「あの世」のことを調べていて、気づいたことがあります。それは、地獄の様子は場所とか民族とかによって様々異なっていて、それぞれ迫力と現実感に満ちているのに対し、天国の方は世界中ほとんど同じだということです。実に単純なんだ――天国には美しい川が流れ、薄物をまとった美女がいて、美味しそうな食べ物が溢れている。環境が悪くなったのに目をつぶれば、まさに長い不況で暗く沈んだいまの日本こそ天国じゃないですか。それなのに現代人たちは、悲壮な顔をしてあくせく働いています。

 

★★★★

やなせたかし(アンパンマンの作者)もそうなのだけど、彼らが『他人に褒められるかどうかよりも、自分が好きだと思う事をして生きるのが幸せ』と根っこから思えるのは戦争を経験していることも大きいんじゃないかと思う。

 

だって、当時人様から褒めたたえられる生き方は特攻隊として死ぬ行くことだったんだもんね。今はそれが間違いだったとされている。世間が「正しいぞ!」とアピールしていた事がある日突然ひっくり返ることもあるんだよね。

 

気持ちが沈んで仕方が無い時には思い出したい。美味しいご飯を食べ、清潔な布団でぐっすり眠ることを。美女(イケメン)を用意するのはちょっと難しいかもしれないけど。

 

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