個人的メモ

メモ・記録・日記

誕生日と大阪のオバチャン

 

一般的に思われている大阪のオバチャンの特徴と言えば、「とりあえず値切ってみる」「ノリが良い」「柄物を好む」である。

しかしながらこれは、あくまでも“あるある“がギュッと濃縮されたオバチャン像であって、「ちょっと安くならへん?」の一言がどうしても言えないオバチャンもいれば、指鉄砲の「バンッ!」に上手に反応できないオバチャンも当然いる。

 

こんな風にネタにされがちな大阪のオバチャンの生態だけれども、詐欺被害に引っ掛からない、という特性はネタにされている属性が吹き飛ぶくらい本当に素晴らしい。お話し好きが功を奏すのか、矛盾点にはツッコまずにはいられないツッコミ文化の賜物か、兎にも角にもこの大阪イズムは是非とも継承したいものの1つだと私は思っている。

 

私のスマホにはちょくちょく詐欺メールが届く。俳優のダレソレだけどアドレス変えましたとか、余命宣告されたので資産の3000万円を貰ってください、だとか。

こんなお粗末なもの、いくらまだ大阪イズムが完全に継承できていないからって騙されないよ、私の方が上手に騙せる文章を作れるんじゃない?なんて思っていたのだけど、詐欺の世界ではこういう油断が命取りというのが通説である。

 

とあるマーケティングの本に詐欺メールに関することが書いてあった。それによると、こんなお粗末な内容にさえも引っ掛かってしまう人を炙り出すために“あえて”このレベルにしていると言うのだ。疑り深い人、賢い人よりも単純な人を相手にする方がよっぽど簡単に、ローエネルギーでお金を使わせることが出来る、とものすごくストレートな表現で書かれていた。あんなに馬鹿にしていた詐欺メールだけども、実は手の平の上で転がされていたという事実。恐ろしい。

 

先日、特殊詐欺の電話の実際の音声を聴いた。警察がネットに公式アップロードしているものでYoutubeなんかで聴ける。

「オレやけど、事故っちゃって…」みたいな電話のイメージを持っていて、正直そんなものには騙されない自信があったんだけど、実際の音声を聴くとその自信は豆粒くらいに小さくなっていく。ニュース番組で「実際の音声です」と流れるものも耳にしたことは何度もあって、それも「これで騙される人がいるんだなあ」と思って観ていた。だけど切り取られた音声と切り取られていない数分の電話では全然印象が違っていたのだ。

途中でガチャっと切った人は「どこで不審に感じたんだろう」って分からなかったし、これに引っ掛からない大阪のオバチャンの県民性は本当にすごい。

 

最近大阪(厳密に言うと関西)のオバチャンにまた1つ近付いた。せっかく関西で生まれ育っているのだから、実年齢だけじゃなく、詐欺に対応した能力も1つレベルアップさせたいものだ。ついでに「ちょっとマケてくれへん?」も恥ずかしがらずに言えるようになっていきたい。