個人的メモ

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ブックオフよ今月も有難う

 

片桐はいりのエッセイ【グアテマラの弟】を1~2テーマずつ読むことが最近の寝る前の楽しみである。小説も好きだけれども、小説とは違いそれまで書かれている内容を忘れてしまっても何にも困らないところが良い。気分が乗らなければ手に取らず、読みたい時に読めば続きからでも何の問題もなく楽しむことが出来る。エッセイの良さはそんな気張らずに読めるところにある。

 

実は【グアテマラの弟】を読むのは初めてではない。数年前に読んでいて、そして手放している。しかしどういうわけか、あの文章をもう1度読みたくて堪らなくなった。そんな欲求を解消しよう電子書籍の試し読みのページを読みに行ったりしたけれど、むしろ想いは募るばかり。

 

そんな中、暇つぶしに読む小説の補充に寄ったブックオフで何と【グアテマラの弟】が売られているのを発見した。値段は330円。実に絶妙な金額設定である。

その日の予定は110円の小説2冊を100円オフクーポンを使って買うことだった。ちなみにクーポンは小説1冊、110円でも使える。だけど10円だけのお支払いが恥ずかしいという私の意味わからない見栄だ。

 

グアテマラの弟】を買うかどうか、すごく悩んだ。本体価格「456円+税」に付けられた330円という金額と330円あれば100円コーナーで3冊も買えてしまう事実。

買うか買わないか、グルグルとした葛藤に決着がついたのはホリエモン石田ゆり子の「お金は引換券でしかない」という言葉を思い出したからだ。欲しい物を買わないでどうする。欲しい物を買うためにお金はあるんだ。その考えが心にストンときて、【グアテマラの弟】と小説1冊をレジに持って行ったのである。もちろん100円引きクーポンも提示して。

 

グアテマラの弟】の他にもう1冊読みたい本があった。【もぎりよ今夜も有難う】というエッセイだ。こちらも片桐はいりが書いている。片桐はいり節が効いていて面白いらしいという感想を、【グアテマラの弟】を試し読みした時に関連書籍で出てきて知った。そんな本があの日、ブックオフの棚に【グアテマラの弟】と並んで実は存在していた。こちらも330円の値段のシールが付いていた。

 

しかしどんなに石田ゆり子に囁かれようが、ホリエモンに罵られようが、330円の本を2冊買う気にはなれなかった。だって本当だったらその日の出費は、110円の小説2冊にクーポンを使って、120円のはずだったのだ。

それで29日、ブックオフが「ブックの日」とキャンペーンを打ち出す日にいつも『500円以上で300円オフのクーポン』が配布されるから、【もぎりよ今夜も有難う】はその日に賭けることにした。

 

先月(2月)は29日がないので、決戦は28日となった。

来たる28日。前回置いてあった場所に、本がない。チクショウ、売れたか。念のため作家名順の棚だけでなく出版社で分けられている棚も見に行く。無い。

「あぁ仕方がない。諦めて、小説を500円分買って帰ろう」と100円コーナーに立ち寄った時、【もぎりよ今夜も有難う】はそこにあった。330円のシールの上に110円のそれが貼られ、場所を移動していたのだ。

 

賭けは私大勝利である。

しかしそれだけでは終わらない。【もぎりよ今夜も有難う】の隣にはあの日には無かった、これまた片桐はいりのエッセイ【わたしのマトカ】が、まるで【グアテマラの弟】の代わりを務めるように隣に存在していた。

 

片桐はいりはエッセイを3冊出している。そのうちの2冊を読んで、それで満足できるかと言われると、そんなことはない。きっと残りの1冊も読んでみたくなるだろう。

110円のその2冊を手に取ることに、迷いなど一切浮かばなかった。

 

ブックの日のキャンペーンには常日頃本当に感謝しているが、今回の買い物はよりその気持ちが大きい。ブックオフよ今月も有難う。

 

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