個人的メモ

メモ・記録・日記

まだ手放すその時ではない

 

毎月平均して4~5冊の小説やエッセイを読んでいる。どこかの調査によると1ヵ月の間に本を1冊も読まない人が半数だと言うから、私も読書家を名乗っても良いだろうか。

 

本は電子書籍ではなく現物派、と言うと家が本で溢れかえっていってしまいそうだけど意外とそんなことはない。小説に関していうと2度読みたいという小説はそう多くないし、3度読みたいと思う小説はもっと少ない。エッセイは何度か読むけれど、環境や年齢が変わるとあんなに共感できた文章が全く響かなくなって手放すタイミングがやってくる。なので思いのほか手元に残らないのである。

 

たいして詰まっていない本棚を眺めて、もう手放せるのではないかと思い、先日まで【女の子よ銃を取れ】(著:雨宮まみ)を読み返していた。結果はこのブログのタイトルを見てわかるようにもうしばらくキープをすることにしたのだけど、実はこのエッセイが手放せる日が早く来ることを祈っていたりする。

 

それはこのエッセイがルックスに悩み、服装に悩み、他者から美醜を評価される息苦しさを綴っているエッセイだからである。ルックスの評価に怯えて生きるモヤモヤとした気持ちが言語化されているところと、そこに筆者が見付けつつある考え方が綴られている。今回読んでもまた救われるような気持ちになった。

 

エッセイを手放すのはそこに書かれている文章に共感できなくなった時だ。だからこのエッセイを読んで「考えすぎじゃない?」って思えるような自分になった時には、また違う悩みを抱えている可能性は大いにあるけれど、こんな風に美醜に悩んだり、人目を気にしてオシャレが苦痛になっている日々からは解放されているんだろうなあ、なんて想像しているのだ。そんな日が恋しい。

 

本は変わっていないのに、自分が変われば受け取り方が変わる。そろそろその時なんじゃないかと再読してみたけれど、残念ながらまだその時ではなかったようで、今回は再び本棚に戻すことになった。

だけど初めてこのエッセイを読んだ時よりもグサグサと刺さる勢いが緩やかになっているのは確かに感じていて、今はまだぼやけている「これ」といった気持ちの持ち方や考え方、己のスタンスの縁(ふち)がはっきりと見えてくるまで、もう少しのような気がしている。

 

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